ドルチェット

ブドウ品種のひとつドルチェットとワイン

イタリアはワインが美味しい国のひとつで、食前にワインを楽しむ人も多いです。
ワインには様々なブドウ品種が使われています。醸造技術が発展する前から活躍していたブドウ品種といえばドルチェットです。ドルチェットは主にイタリア北部で栽培されている黒ブドウの一種で、美しいルビー色と洗練された果実の香りで知られます。

早熟なブドウでコクがあり、酸味が弱いという特徴があります。ドルチェットは早熟という特性があるぶどう品種なので、日照時間が不足している土地や冷涼な地域でも栽培できます。苦味があるブドウの果実味もしっかりと感じられます。ドルチェットは元々フランスを原産地としたブドウ品種で、8世紀後半にはすでに記録が残っています。ドルチェットの葉は五枚葉で、表面は毛がなく滑らかです。葉っぱの裏はビロードのような毛があり、葉っぱの脈がクモ膜状に浮き出ています。
ブドウの房は中くらいの大きさで、形は円錐形です。果実の粒は丸くて中粒で、ブドウの皮は青みを帯びています。ドルチェットの名の由来は甘いという意味のドルチェですが、完成したワインは辛口のワインになります。酸度が低く糖度が高いブドウそのものの甘さから、魅力的な名がつきます。

この品種は皮に色素を多く含むため、紫色を帯びたルビー色のワインが生まれます。柔らかくフルーティーな香りの他に、アーモンドの香りも持っています。ドルチェットは限られた地域でのみ生産されますが、その理由は粘土と白い石灰岩が混じった土壌を好むからです。重たい土壌になると、個性を最大限に発揮することが難しくなります。

ドルチェットの最高級ワインが造られているのがDogliani地区です。Dogliani地区はアルプス山脈と美しい海に囲まれ、ブドウ栽培に適した土壌を持ちます。人口が5000人にも満たない村で生まれるブドウ品種を使って完成するワインは、2011年にDOCGに昇格しています。いくつもの規定をクリアした上品なワインは、贈り物としても人気があります。

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