カンノナウ
ブドウ品種 カンノナウはどのような特徴を持っているか
ワイン用のブドウ品種もさまざまなものがありますが、カンノナウは栽培面積が世界7位で、広く育成されている国際的な品種です。カンノナウという名は、主な生産地のイタリアのサルデーニャ島でよく呼ばれる名前で、他の生産地スペインなどではガルナッチャとも呼ばれる、世界で最も多く栽培されている赤ワイン用のブドウ品種です。
原産地はスペインのアラゴン地域と言われ、そこから地中海沿いに広がっていったと考えられますが、突然変異しやすい品種とも考えられていますので、黒い表皮のもの以外に白い表皮やピンク色のものも存在します。これらはそれぞれグルナーシュ・ブラン、グルナーシュ・グリと呼ばれ、見た目の良さから人気を集めることがあります。
このブドウ品種の特徴は、育成に時間がかかり、暖かい地方で栽培されるために糖度が非常に高く、この品種を使ったワインはアルコール度数が高くなる傾向があります。産地は地中海沿岸が多く、原産地スペインのアラゴン地方・カタルーニャ州・フランスのラングドックルーション・ローヌ地方・プロヴァンス地域など広範囲で栽培されています。他の栽培地としてはアメリカ・オーストラリア・南アフリカなどが挙げられます。
ワインの材料として使われるときは単一品種ではなく、シラーやムールヴェードルなどのスパイシーなブドウとブレンドされることが多いです。アメリカ・オーストラリア南アフリカなどの産地でも、シラーやムールヴェードルなどとブレンドされることが一般的で、ワインのラベルにカンノナウとかグルナーシュといったブドウ品種名が記されることはほとんどありません。ブレンドされた多くの場合は、それぞれのブドウの頭文字を取ってGSMと表記されることが多いです。
現在このブドウ品種は南アフリカ、オーストラリアなどでは酒精強化ワインの原材料として重宝されており、フランス南部では辛口のロゼワインの原料としても重要なものになっています。カンノナウは多産性のブドウ品種ですから収穫量が落ちて、自ずと味わいが凝縮される古い樹齢の木から取れたブドウを材料にしたワインには、人気を集める良い出来のものが多くあります。