アルネイス

脇役から主役に躍り出たブドウ品種アルネイス

イタリアの中央部に位置するピエモンテ州のロエロ・ランゲ・モンフェラートの地域において、有名なブドウ品種として存在するのがアルネイスになります。アルネイスはそのまま食べてもおいしいですが、ワインにすると酸味が少なくて飲みやすいだけでなく、桃やアプリコットのような芳醇な香りのすることによってイタリアのみならず世界中でも人気になっているのです。ただアルネイスは最初から主原料を目的にワインづくりに使われていたというわけではなく、このブドウ品種はあくまで脇役として作られていた歴史があります。

このアルネイスは環境による変化に弱いのと、果実ができるまで成長しても熟し度合いがすぐに進んでしまってワインに使える時期が終わってしまうのが早いという性質があるのです。そのため栽培や収穫が難しいので量が取れず、アルネイスは他のブドウのワインと組み合わせて味を調節する混醸の品種として用いられた歴史があります。しかしイタリアのワインへの愛情は、このアルネイスの弱点を克服するための努力を惜しまなかったのです。水をあげる量や土壌改善そして収穫する時間など細かく記録することによって、収穫がむずかった弱点を克服し安定した収穫量を得ることができるようになります。安定した収穫ができれば、その多くのブドウを使ってワインづくりに着手し見事世界に誇るとてもおいしいワインが出来上がったというわけです。

ブドウ品種アルネイスから作られたワインは、洋ナシやモモのような果物の香りがするだけでなく酸味が少ないのに後味のキレが良いというのが特徴になります。そのため料理に合わせるときには、キレと香りの良さを生かして食前酒としてオムレツなどの卵料理や野菜をメインにしたオードブルと合わせて飲むという形が定番です。それ以外にも味のキレの良さが日本酒や紹興酒と通ずる部分があることによって、魚介類中心の日本料理や濃い味付けが多い中華料理と合わせても美味しくいただけます。

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