ワインの澱、どうしていますか?

特に色素成分の多い熟成した赤ワインに多いのですが、
細かい砂のような赤黒い浮遊物、それらが固まったような沈殿物…、
初めて目にした方は驚かれるかもしれませんね。


これらは一般的にと呼ばれ、赤ワインにもともと溶け込んでいた色素成分であるポリフェノール類が結合し、沈殿したものです。
ワインを熟成させればさせるほど、澱は増えていきます。そして色の濃かった赤ワインの色は、徐々に明るくなっていき、渋みもまろやかになるのです。

私がレストランでサービスをする際、多くのお客様は「澱は気にしない」と言ってくださいます。澱を一緒に飲んでも、人体に害を及ぼすものではありません。
ただ澱が舞ってしまうと、液体は濁り、舌触りも悪くなり、苦みも出てしまいます。できることなら、この澱を取り除き、グラスに入らないようにしてサービスしたいものです。

皆さんが、もし長期熟成した高級ワインを購入した場合、美味しくベストの状態で楽しんでいただくために、少しだけやっていただきたいことがあります。

それは購入後1~2週間、涼しい場所でボトルを立てて静置していただきたいのです。できればその後、ラベルが横になるようにしばらく保管し、澱を一か所に集めてください。
何人かで飲む場合は、可能であればデカンタージュして澱を取り除き、液体を均一化したほうがよいですね。ボトルの上方と下方では濃さが違いますので。ただデカンタージュで気を付けなければならないのは、デカンタに移すことで味わいのバランスを崩してしまう繊細なワインもあるということです。ボルドータイプのワインはデカンタージュして良くなることが多いですが、ブルゴーニュタイプのワインは、デカンタージュに適していません。また熟成が進み過ぎている場合も、デカンタージュにより極端な酸化をしてしまう可能性もありますので、注意が必要です。

少人数で飲むときは、ボトルのまま注ぐのもいいですね。ワインの味わいの変化を楽しむことができます。その場合はボトルの扱いにくれぐれも気を付けてください。不用意に揺らさないように、静かに、丁寧に、注いでくださいね

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