グレラ

人気があるが故に改名せざる得なかったグレラというブドウ品種

イタリアで作られるスパークリングワインの産地の中でも特に人気のあるプロセッコの主なブドウ品種はグレラ種なのですが、グレラ種はかつてはプロセッコ種と言われており産地名とブドウ品種名が同じでした。ところが名前が同じだったことが原因となり、ある困った問題が起こってしまったのです。プロセッコを昔から製造していたヴェネト州以外にも、このブドウ品種を他の州で栽培して品種名としてラベルにプロセッコと表記することが可能でした。

その時代から非常に人気が高かったプロセッコは、その人気に便乗しようとしてシチリア州などの異なる州でもこのブドウ品種のブドウが栽培されるようになってしまい、その生産者たちは挙ってプロセッコとラベルに表記して販売するようになってしまったのです。法律上は特に問題がないので規制をすることが出来なくて、購入を希望するお客様にも誤解を与えてしまう事態を招いてしまいました。

そのことに困ってしまったヴェネト州でこの品種を生産している人たちは、苦渋の選択としてブドウ品種の名前をグレラ種に変えて、プロセッコという名前を別のエリアで利用することが出来ないようにした訳です。それ以来はヴェネト州以外の地域で、プロセッコとラベルに表記してスパークリングワインが販売されるようにことはなくなりました。

またグレラというブドウ品種名の由来となっているのは、このブドウ品種はフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のトリエステ県プロセッコと言う町が起源となっているのですが、その町ではこのブドウ品種のことをグレラと言っていたからというのが理由になります。このスパークリングワインを生産している地域は広く、ヴェネト州はもちろんのことフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のほぼ全てのエリアで生産することが許可されているのです。そしてスプマンテだけではなく、弱発泡タイプのフリッツァンテや発泡しないタイプのスティルワインの生産も許可されています。

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